| m&m Back Number 2000年 10月 |
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映画の撮影で長野の中学校の音楽室を使わせてもらった。バッハやモーツァルトの肖像画が懐かしかったが、少し小さな席について、天上を見上げたときに、30年以上前の記憶が蘇った。運動場からの掛け声が聞こえた。楽器収納棚に並んだトロンボーンやチューバがピカピカに磨かれていた。自然光の中、夕暮れ時の教室は薄暗くせつない。 2000.10.2 自分よりも上手に自分の聴きたい音楽を作る人たちがいたら、即刻やめると思う。 2000.10.4 客の言い値で商品の値段を決めている店をテレビで特集していた。食べ物なら味、サービス業ならサービス内容と、とにかく言い値を受け入れる商売だ。中学校時代、売店が無人で、料金を箱に入れたら置いてあるパンを自由に持っていってよいという方式で、誰もごまかさなかったことを思い出した。高級旅館で帰り際に二人で3000円と書いていた夫婦がいて、その奥さんの顔と、ニコニコしている旅館の女将の輝きの差に、教えられました。z 2000.10.6 音楽にはロマンがある。だが、音楽で食っていけるようになりたいと、中途半端に自分に甘く生きている人を見ると、息苦しくなる。ギターをかき鳴らして吠えるということは、それでしか自己主張できない時代のものだ。刀を差して全国を腕試ししながら放浪しているような時代錯誤である。音楽にはロマンがある。音楽で食べていくということにロマンはない。 2000.10.10 ものを充分に与えられることは心の隙間をも埋める。それは必ずしもいいことではない。心の隙間がないと余裕がなくなり、ギュウギュウ詰めになって考えが固まる。ちょうどコンピューターがフリーズしたように次の動作ができない。充分に与えられると満腹でのさばるようにボーっとする。隙間がないと身動きできない。いっぱいいっぱいになるよりも、少し足りない方がいい。 2000.10.13 来月の23日に東京有楽町のよみうりホールで尾崎豊さんのバースデイスペシャルのイベントが開催されることに決まった。亡くなってから毎年行われてきたが、今年は久しぶりに参加することにした。田島照久さんと平山雄一さんと3人で話をしたいと思っている。何を話すのか、自分でも楽しみです。 2000.10.18 子供の頃犬を飼っていた。父親が連れてきた。だが、父親は犬好きには見えなかった。それでもいろんな種類の犬を飼っていた。スピッツが一番長かった。シェパードもいた。その父も今はなく、時々犬を飼おうかなと思う時、その気持ちが理解できる気がする。 2000.10.20 あともう少しで21世紀です。今年は去年ほど盛り上がらないという意見を聞くが、当たり前で、過ぎ去った20世紀に対しては誰もがノスタルジーを感じるが、ほとんどの人は21世紀を生きるわけではないから、どこか他人事になるんでしょうね。それでもいつまでも別れた人のことをじめじめと思っていてもしようがないんじゃないかって自分を制している。だから盛り上がらないわけです。 2000.10.23 時々手紙をくれる人がいて、その人は歌手を目指しているようなんですが、彼女の書いてくる内容がいつもいいんです。甘いものが好きだけれど太るから食べたくなると本屋でデザート本を立ち読みしますと書いてある。単純な言葉だけど、「いつか見つかる」という言葉が好きだという。彼女が探しているものが見つかればいいなと思います。 2000.10.30 ラジオのDJがいってた。「子供の頃に茶碗を割って母親に怒られたけど、それじゃ母親が割ったら誰が怒るのか、疑問だったんだよね」。政治家が茶碗割ったら、怒るのは国民でしょうね。 2000.10.31 |
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